前のトピックでは、LINEマーケティングの第一歩として目的とゴールを明確にしました。次に、その目的を達成するために重要なのは、「誰にメッセージを届けるのか」をはっきりさせることです。
このステップでは、まず「ターゲット顧客」を設定し、さらに具体的な「ペルソナ」を作成することで、マーケティング施策の精度を高めていきます。
全体像を理解する
3つの違いを整理しよう
まずは、「セグメント・ターゲット・ペルソナ」の違いを理解しておきましょう。

セグメント 市場全体を年齢、性別、地域などいくつかのグループに分けること
ターゲット セグメントの中から「この人たちに売りたい」と狙いを定めること
ペルソナ ターゲットの中から代表的な1人を想定して作る「架空のお客さん像」のこと。この人物を設定することで、お客さんの気持ちや行動が具体的にイメージでき、どんな言葉やサービスが響くかを考えやすくなります。
ターゲット顧客の設定
ターゲット顧客とは?
ターゲット顧客とは、商品やサービスを売りたい「想定顧客層」のこと。
まずは基本的な顧客層を把握しましょう。

ターゲット顧客の設定手順

- 基本情報を集める
まず、既存の顧客情報を分析しましょう。
- POSデータや予約システムから、年齢層、性別、利用頻度、客単価を確認
- Google口コミやSNSでの投稿内容から、来店理由や満足ポイントを分析
- 顧客アンケートがあれば、職業や居住エリア、利用動機をチェック
- よく利用してくれる顧客の特徴を洗い出し、共通点を見つける
- 最も重要な顧客層を1つに絞る
複数の顧客層が見えてきたら、最も注力すべき層を決めます。
- 売上貢献度:客単価が高い、リピート率が高い顧客層
- 獲得しやすさ:競合が少ない、アプローチしやすい顧客層
- 成長可能性:今後も需要が伸びそうな顧客層
ターゲット顧客の具体例(美容室)
- 年齢:30代
- 性別:女性
- 職業:会社員
- 利用パターン:平日夕方利用、月2回リピート
ペルソナの作成
ペルソナとは?
ペルソナとは、ターゲット顧客の中から、具体的な顧客像を詳細に描いた架空の人物です。
ターゲットが『顧客層』なら、ペルソナは『その中の代表的な一人』です。

この一人の人物を具体的に設定することで、 『この人だったらどんな言葉に反応するか』 『いつメッセージを送れば読んでもらえるか』が明確になります。

ペルソナ作成の手順

- ペルソナのプロフィールを作成する
ターゲット顧客層から、具体的な1人の人物像(ペルソナ)を作成します。名前、年齢、職業、ライフスタイルなどの詳細を設定し、よりリアルな顧客像を描きます。
- ペルソナのストーリーを描く
ペルソナがどのような背景を持ち、なぜ商品やサービスを必要としているのか、またどのようにそれに出会うのかというストーリーを考えます。
たとえば、『平日は19時まで仕事、帰宅後は疲れてヘアケアまで手が回らない。週末に美容室でリセットして、翌週を気持ちよくスタートしたい』という生活パターンを設定します。
- ペルソナをマーケティングに活用する
作成したペルソナを基に、具体的なマーケティング施策を展開します。ペルソナが持つニーズや行動に基づいて、メッセージ内容や配信するタイミングなど適切なコミュニケーションプランを最適化してゆきます。
ペルソナの具体例
- 名前:田中彩子
- 年齢:32歳
- 職業:事務職(IT企業勤務)
- 趣味:ファッション、カフェ巡り
- ライフステージ:独身
- ニーズ:仕事で疲れた自分を癒やしたい。手軽に美しさを保ちながら、リラックスできる時間を大切にしたい。
ペルソナの背景とストーリー
田中彩子さんは、32歳でIT企業の事務職として働いており、現在は独身です。平日は仕事で忙しく、夕方以降や週末に自分の時間を大切にしています。月2回程度、美容サロンでヘアカラーやトリートメントをすることで、気分転換とリフレッシュを図っています。
このペルソナを活用して、LINEマーケティングの戦略を具体化することで、より効果的なアプローチが可能になります。
活用例(美容サロンアカウントの場合)
- メッセージ配信 平日の夕方に「お疲れさまです」のメッセージと共に、週末の予約案内や新メニューを配信
- キャンペーン企画 「平日夕方限定割引」など、彼女の利用パターンに合わせた特典を提供
まとめ

「できるだけ多くの人に商品を知ってもらいたい」と思うかもしれませんが、 万人受けを狙ったメッセージは、結果的に誰の心にも刺さりません。
ターゲット顧客を設定し、ペルソナを作成することで、特定の人に刺さる施策やメッセージが作れるようになります。
次のトピックでは、顧客がどのようなステップでサービスや商品にたどり着き、アクションを起こすのか、そのプロセスを考え、施策に反映させていきます。
