前項の「カスタマージャーニーを軸にしたシナリオ設計」で触れた 興味・関心・検討フェーズにおいて、 特に重要となる「登録直後シナリオ」をさらに掘り下げます。
登録直後シナリオの位置づけ
- 興味をさらに高める“初期タッチポイント”
ユーザーはすでに何らかの興味を持ってLINE登録をしてくれています。ただし、登録の経緯は人それぞれ。SNSの投稿を見て「なんとなく気になった」人、店舗で「お得情報が届く」と聞いて登録した人、友人の紹介で登録した人など、きっかけはバラバラです。
つまり、同じ「登録済み」でも、あなたのビジネスに対する理解度や購買意欲には大きな差があります。相手の状況に応じて、伝える内容も伝え方もシナリオ設計も変わってくるのです。 - 「今すぐ行動したい層」を逃さないゴール地点の提示
既に問題意識が明確、 あるいは購買意欲が高いユーザーを取りこぼさないために、 “直行導線”を必ず用意することが鍵です。 商品ページや問い合わせフォームを すぐに案内できるしくみが必要になります。
登録直後シナリオを構築する際のポイント
ウェルカムメッセージでの“起点づくり”
目的:新規登録ユーザーが「このアカウントを登録すると得られるメリット」を直感的に把握できるようにする
ポイント
- ユーザーが得られる具体的な価値
例:「このアカウントでは、忙しい合間にサクッと〇〇が分かるコツをお伝えします。まずはメニューを一度チェックしてみてくださいね!」 - 「登録したおかげで早速〇〇を手に入れられた」など、 ユーザーが登録を後悔しない/離脱しないための意欲づけを行う
直行導線を最優先で配置
目的:すでに購入・問い合わせの意思があるユーザーが、迷わず行動を取れるようにする
ポイント
- 問い合わせフォームや購入リンクを常に分かりやすい場所に設置
ウェルカムメッセージ内やリッチメニュー上、あるいは自動返信などに明示しておく - フォームへたどり着くまで、ワンタップで到達できる動線を意識
一部のユーザーは「とにかく購入したい/問い合わせたい」と考えているため、 この層を逃さないことが大事。
登録特典やコンテンツの案内
目的:さらに「使ってみたい」「読んでみたい」と思わせる仕掛けで、ユーザーの関心を上乗せする
ポイント
- 特典やツールそのものより、「これを使うとどんな状態になれるか」 「どんな悩みを手軽に解消できるか」を伝える
- 「1分で〇〇が分かります」のように、 ハードルを下げる説明を入れて離脱を防ぐ
特典・コンテンツの“利用フォロー”を設計する
目的:ユーザーに特典やコンテンツを実際に利用してもらい、価値を体感させる
ポイント
- 配布して終わりではなく、「○○はもう試されましたか?」と後日リマインドを送り、 手軽に始められる方法や所要時間を再提示する。
データ活用によるタグ付け・セグメントの準備
目的:ユーザーの行動データ(特典ページを開いた/診断を受けた/問い合わせへ進んだ等)をもとに、次のシナリオやアプローチを最適化
ポイント
- リンクのクリック履歴やメッセージの反応を、タグ付けなどで管理
- 興味の高いユーザーには早めに追加情報・詳細なメリットを提示し、 まだ動きがないユーザーには別の角度からコンテンツを提供する </aside>
ユーザー離脱を防ぐヒント
- “伝えたいこと”<“ユーザーが感じるメリット”
企業が発信したい情報ばかり並べても、ユーザーは興味を失いやすい。 「それで私がどう得するの?」という問いに一貫して答え続ける姿勢が大切 - 「いつでも相談できる」雰囲気づくり
配信を受け取るだけの関係ではなく、 気軽に問い合わせてもらえるようメッセージ中にサポート体制をアピール 例:「こんなときはどうしたらいい?なども、このLINEでお気軽にどうぞ!」 - 少しずつ“もっと知りたい”気持ちを引き出す構成
無理にセールスしたり急かさず、 「こんな事例もあります」「次回はこういうお得情報をお届けします」など、 次回の予告で興味を保つ。ユーザーの自発的な行動意欲を育てる流れを意識する
まとめ
- 登録直後シナリオを組む際は、常にユーザーが得られるメリットや価値を軸に考える → 自社が「伝えたい情報」だけを押し付けると、離脱される
- ユーザーが“次は何が届くのかな?”とワクワクできるシナリオ設計を心がけると、開封率・エンゲージメント向上にもつながる
このように“ユーザーがどんなメリットを感じられるか”を優先して考えつつ、 シナリオの各ステップを設計すると、離脱を最小限に抑えながらも 自然に商品・サービスの利用へ導きやすくなります。
常に相手の立場を念頭に置きながら、柔軟にアプローチを調整していきましょう。
