シナリオは作って終わりではありません。
各段階・各配信ごとに目標を設定し、 実際の反応や数値をチェックしながら、絶えず手直しを加えていくことが大切です。
ここでは、登録直後や既存ユーザー向け、 キャンペーン用、イベント/セミナー向けといった各シナリオで どのような指標を追いかけ、どんな改善策を講じるべきかを解説します。
シナリオの成果指標を設定する
1. なぜ成果指標が必要か
- 施策がうまくいっているかどうかを客観的に判断するため
- 具体的な数値目標を設けることで、チーム内で共通認識を持ちやすくなる
- 指標をモニタリングすることで、適切なタイミングで改善策を打てる </aside>
2. 代表的な指標の例
- 開封率・クリック率(CTR) LINEの場合は「開封」より「既読率」や 「リンククリック率」が重視されることも多いです。
- コンバージョン数 / コンバージョン率 購入・面談予約・問い合わせ・イベント申込みなど、行動の最終成果
- 離脱率・ブロック率 シナリオ配信が過度であったり内容が不適切だと、ユーザーがブロックする可能性あり
- 継続率 / 次のステップへの移行率 長期シナリオ(既存ユーザー向けやイベント後のフォローなど)で重要 </aside>
シナリオ別の主な評価項目
1. 登録直後シナリオ
指標例
- オプトイン完了率 登録直後のステップですぐ離脱せずに、シナリオを最後まで見てもらえているか
- プロファイル取得率 属性情報やアンケート回答など、最初に取得したい情報を集められているか
- 初回反応率 ユーザーが登録後に初めてのメッセージでどの程度アクションを起こすか
最適化のヒント
- ステップ数を見直す(長すぎると離脱が増える)
- 最初のメッセージで提供する価値を明確に(クーポンや情報を出すタイミング)
- 登録者のデータを元に文言や順序をA/Bテストし、離脱率を下げる </aside>
2. 既存ユーザー向けシナリオ
指標例
- LTV(ライフタイムバリュー) 継続購入や定期契約がある場合
- リピート率 / 再購入率 商品やサービスの継続利用状況
- エンゲージメント率 メッセージ既読率、クリック数、反応コメント数 など
最適化のヒント
- 顧客セグメントを分け、それぞれに合わせた配信内容を工夫
- キャンペーンやイベントとの連動で、新鮮なコンテンツを継続的に届ける
- 満足度調査やアンケートを定期的に実施し、フィードバックを反映 </aside>
3. キャンペーン用シナリオ
指標例
- 申し込み数 / 購入数 キャンペーンの直接成果
- キャンペーンページへの流入率 クリック率や遷移率
- クーポン利用率 発行したクーポンがどのくらい使われたか
最適化のヒント
- 配信タイミングを試行錯誤し、ユーザーが開封しやすい時間帯を見つける
- 事前告知 → 本番告知 → リマインド → フォローアップという流れを守りつつ、各段階でどれだけCV(コンバージョン)につながっているかを把握
- 限定性・期間などの要素を使う際は、過度な煽りにならないよう注意しつつ、数字の変動をこまめに確認 </aside>
4. イベント/セミナー向けシナリオ
指標例
- 参加率 事前申し込みとの比較
- 当日満足度 アンケートやSNS投稿など
- 終了後のフォロー成果 追加面談予約や次回セミナー参加率
最適化のヒント
- 未申込者への複数回リマインドを行い、参加率の変動をチェック(1週間前・3日前・前日など)
- 事後アンケートでリアルな感想を得て、次回の内容やフォロー施策に活かす
- イベント終了直後に面談や追加セミナーの案内を送るなど、“熱が冷めないうち”に次の行動を促す </aside>
シナリオを改善・最適化するためのステップ
- データの取得・分析
- 各シナリオごとに設定した指標の数値を集める
- 例: 既読率・クリック率・CV率・アンケート回答率 など
- 原因仮説の立案
- データの良し悪しを見て、「なぜ成果が低い(または高い)のか」を考察
- 例: 文言が長すぎる?タイミングが合わない?オファーが魅力的でない?
- 打ち手の具体化・実施
- A/Bテストやクリエイティブ変更、配信時間の再設定などを行う
- メッセージ内容の簡潔化・文体の変更・特典のアップグレード など
- 再検証と改善サイクル
- 施策を打ったあとの数値を測定し、さらに改善策を検討する
- このPDCAを継続して回すことで、シナリオ全体の品質が向上
Lステップのファネル分析で離脱ポイントを可視化
シナリオの成果指標をチェックする際、どのステップ(メッセージ)でユーザーが離脱しているかを把握できると、原因仮説を立てやすくなります。
Lステップのファネル分析機能(※プロプラン以上で利用可能)を使うと簡単にモニタリングが可能になります。
上記の例では、まだ母数が少ないものの、アンケート開始から来店予約までの移行率は9割近くと高く、初期フローは順調。クーポン配布後7日目でやや離脱(約76.5%)が見えますが、全体的にはほとんど離脱が起きておらず、良いシナリオが構築できているといえます。
それぞれのステップで何%のユーザーが行動を起こし、どこでどれくらい離脱しているかが一目でわかるため、改善すべき箇所を正確に把握しやすくなります。
参考:Lステップのファネル分析とは?(Lステップ公式ブログ)
まとめ
- シナリオごとに目的(ゴール)と指標を明確に設定する (登録直後→離脱率の低減、既存ユーザー→リピート率向上、キャンペーン→購入数アップ、イベント→参加率アップ、など)
- 定期的に成果指標をチェックし、数値の変化をもとに施策を見直す
- A/Bテストやクリエイティブ変更など、小さな改善を積み重ねることで大きな成果につながる
LINE公式アカウントを活用したマーケティングは、 配信後のデータ分析と改善サイクルこそが最大の強み。
各シナリオの目的に合った指標を追いながら、 ユーザーとのコミュニケーションを洗練させていきましょう。
